日本若者協議会では、将来視点で行動する”若者のミカタ議員”を2030年までに日本全国で4000人誕生させることを目的に、「若者立候補育成プロジェクト2030」を実施していますが、2023年に行われる統一地方選挙で、若者が望む政策の実現を目指す若者(39歳以下)を、若者のミカタ立候補予定者として認定し、当選に向けて支援したいと考えています。
現時点で認定している「若者のミカタ立候補予定者」は、下記になります。
https://youthconference.jp/archives/6297/
今回は、無所属で、東京都目黒区に出馬予定のかいでん和弘さんのインタビューを紹介します!
インタビューは、2023年2月上旬に行いました。
かいでん和弘さんプロフィール
1993年生まれ。29歳。目黒区出身。北海道大学法学部卒業後、民間企業で市区町村の行政計画づくりに携わる中で、若い世代の声が政治に届かない現状に危機感を抱き、政治の道を志す。2019年の目黒区議選で歴代最年少当選(25歳)。最年少の20代議員として、未来に過度な負担を先送りしない政治を実現するため、若者政策や財政、子育て支援を中心に4年間で88の実績と270以上の政策提言。東京若手議員の会副代表。
————政治家をなぜ目指すようになったのですか。
小学校5年生の時、教室の学級文庫に並んでいた漫画伝記シリーズ「ケネディ大統領」のマンガを読んだのが最初でした。戦争で亡くなった兄の遺志を継いで若くして大統領になり、キューバ危機を回避して、これからというときに暗殺されてしまう、その姿を見て、小学生ながら、多くの人のために自分の人生を賭けるってかっこいいな、と思い、またそれと同時に、なんでか分かりませんが、「ケネディの遺志を継がなきゃ」と思ったのが、政治家を意識したきっかけでした。
より具体的に立候補を考え出したのは大学4年生時に参加した議員インターンシップです。そこで昭和の時代のような古い政治が行われていることや、若い世代の議員がいないことに違和感を抱きました。
大学卒業後は民間のコンサル会社に勤め、子育てや介護など自治体の5カ年計画策定など、地方自治体の行政計画づくりに携わっていました。それらの計画を見ていると、どこの市も、人口減少・高齢化率の上昇・介護保険料等の負担の増加など将来厳しくなっていくことが見てわかるわけです。でも、どんな町になって欲しいか市民同士で話し合うワークショップを企画したら、参加者は60代以上がほとんどでそれを20代の私がファシリテートするみたいな状態が日常茶飯事でした。
このように、この先の未来が悪化の一途をたどることが目に見えているのに、政治の現場にも、政治と関わる地域住民の中にも、若い人がいないという事実を学生時代、社会人時代にまざまざと実感しました。「これじゃあかんでしょ」と、私は出身地の目黒区で立候補する決意を固めました。
————私もケネディの伝記を読んだことがあり、共感する部分が多かったです。活動されている目黒区の課題や変えていきたいところを教えてください。
今の目黒区って割といい状況なんですよ。人口は維持できており、税収はむしろ毎年増えています。ただ将来は厳しいと考えています。厳しい時代を中心世代として生きていく若い世代が今のうちから声を上げていかなくてはいけません。年配の議員さんや住民の方が未来を考えていないわけではありませんが、当事者となる若い世代が声を上げることで説得力も増します。また長期的な視点でモノを言えることが、若い世代が政治に参画する意義だと思っています。
————「持続可能なまちづくり」「若者の政治参画」を訴えていると思いますが、具体的にどのようなことをやっていきたいと考えていますか。
目黒区の大きな課題は財政です。将来、学校や公共施設の建て替えが控えており、今の貯金では全然賄いきれないほどの出費が見込まれています。しかし私が議員になる前まで区の財政状況について何も推計されていませんでした。2021年に働きかけ15年間の財政推計が初めて実施されました。将来推計を出すことで今年の財政支出や長期的な財政運営のあり方を議論することができるようになっています。
また若者の政治参画を進めるべく、若者議会や主権者教育の充実なども訴えています。特に主権者教育については改善することができたと思います。現場の先生は多忙で主権者教育を行うにしても非常に大変です。補助資料の作成や教職員向け研修(eラーニング)によりサポートを進めてきました。
————改田さんは無所属で活動をされてきたと思います。なぜ無所属なのでしょうか。
1番の強みは自分のやりたいことができることです。政党に所属すると自分の意思を押し殺して例案に賛成・反対しなければなりません。また党の一員として他の市議会議員選挙や国政選挙に応援にいかなければなりません。無所属であれば自分の信念に基づき、目黒区の問題を解決することだけに集中することができます。また、どの政党も一長一短があり、自分の志を託せる政党が無いなという思いもあることから、今の段階では無所属で活動していきたいと思います。
————今後2期目に挑戦する予定だと思います。これまでの経験を活かし、どのように政策実現に向けて活動していきたいと思いますか。
私はまだ20代であり、当事者の一人として若者政策を訴えていきたいと思います。対して1期目の積み残しもあります。4年間で86個の政策を実現してきましたが、本当にやりたかったことはまだ実現できていません。例えば少子化後の持続可能なまちづくりや若者政策、介護予防など大きな問題は、現状を変えるために多くの時間を要し、4年間では区を動かすには至らなかったなという歯がゆさがあります。次の4年間は大きな問題に挑戦していきたいと思っています。
特に初当選時から主張してきた若者議会を実現したいです。愛知県新城市のように予算をつけ、若い人の提案が実現するよう制度的な保証をしていきたいです。また少子化の原因の9割は未婚化です。経済的支援を柱として、結婚に踏み切れない人への支援を行っていきます。例えば返済不要な給付型奨学金に変えていくこと(目黒区は現状貸与型しかない)や、若い世代の住居費負担を減らすことなどについて、4年間で道筋を見出していきたいと考えています。
————最後に目黒区にお住まいの方、また将来立候補したいと考えている若者に向けて何かメッセージをいただきたいです。
無所属の議員は当選すれば自分のやりたいことを率直にできますが、スタートラインに立つのが難しいです。今回は非常に厳しい状況で、ボランティアなどでお力添えをいただきたいですし、せっかく来ていただくなら、単なる雑用ではなく、政治の世界の一端を見ていただきたいので、こういうことをやってみたい、こういうものを見てみたいというご要望があれば、可能な限りお応えしていきたいと思っています。
私も議員インターンシップがきっかけとなり政治家を志した人間ですので、政治に関心がある方がいらっしゃれば、大歓迎させていただきます。一緒に目黒区をもっと良くしていきましょう。